糸で布類を縫い合わせる機械
人間生活の基本である衣食住の【衣】の部分を支える機械
人間が身に付けなければならない衣服類は、19世紀の初めまでは一針一針手作業で縫いつけていましたが、ミシンの発明で衣服類の生産は飛躍的に成長しました。ある意味ミシンの普及なくしては、近代の産業革命も中途半端なものになっていたかもしれません。
例えば、その当時キチッとした服を身につけられたのは、ほんの一部のブルジョア階級のみに限られていました。貧困とまでいかない普通の市民でも、今の時代のように自分の好みの洋服を手軽に手に入れるのは困難でした。しかし、ミシンによる縫製が発達することにより、すべての人がそれなりの快適な洋服を身につけられるようになったのです。
ミシン先進国のアメリカでは、現在約4000万台を越えるミシンが利用されていて、日本でも普及率(96年度)は70%を超えています。先進国だけに限らず、あらゆる産業を興すときの手始めとして、ミシンは開発途上国でも重要視されています。
日本でも戦後の物不足の中で、ミシンは飛ぶように売れ、その後目覚しい経済復興に伴う衣生活の向上により既製服市場が拡大しました。
現在では、大量生産のための『工業用ミシン』と、個人で使用される『家庭用ミシン』とに分かれています。
家庭用ミシンは、昔「義務としての家庭生活の必需品」でしたが、既製服の普及に伴う社会的衣環境の変化により、「家庭生活を楽しむための必要品」に変化しています。そして、手軽な手芸・洋裁になくてはならない道具として、その価値が『趣味』の分野に移行しつつあります。
1.ミシン糸に使用される繊維
| 天然繊維 |
綿糸(カタン糸) 絹糸(ハブ糸) |
| 合成繊維 |
ポリエステル糸(シャッベスパン、フェザーナ、ブルーファイブ等) ナイロン糸(レオーナ、レジロン等) |
※()内は市販されている商品名です。
2.スパン糸とフィラメント糸
| スパン糸 |
カタン糸のように比較的短い繊維を紡いでよりをかけて作った糸で、柔らかな感じのする糸です。 |
| フィラメント糸 |
絹糸のように長い連続した繊維によって作られた糸で光沢があります。 |
3.糸のよりの方向
ミシン糸は左よりを用います。これはミシンで縫い目を作るときに左によりがかかるからです。右よりの糸を使ったり、バック縫いを連続して長く縫うと、糸のよりが戻り、糸割れや糸切れになる場合があります。
4.ミシン糸のサイズ
糸のサイズの表示には、番手、号数、デニールがありますが、番手で表示されている糸が多いようです。番手は数字が大きくなるほど糸の太さは細くなります。